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WiFi・テクノロジー

海外SIMカード購入ガイド

海外SIMの基礎知識

海外SIMカードとは、渡航先の現地通信事業者が発行するプリペイド式のSIMカードのことです。自分のスマートフォンに挿入して使用し、現地の携帯電話回線でデータ通信や音声通話を利用できます。WiFiレンタルと異なり、別途端末を持ち歩く必要がなく、自分のスマートフォンだけで通信を完結できるのが大きなメリットです。

海外SIMを利用するための前提条件として、スマートフォンがSIMフリー(SIMロック解除済み)である必要があります。日本のキャリアで購入した端末にSIMロックがかかっている場合、他社のSIMカードが認識されません。2021年10月以降に販売された端末は原則SIMフリーですが、それ以前の端末はキャリアのマイページや店舗でSIMロック解除の手続きを行う必要があります。ロック解除の手続きはオンラインでは無料、店舗では手数料がかかる場合があります。

SIMカードのサイズには標準SIM、micro SIM、nano SIMの3種類があります。現在の主流はnano SIMですが、古い端末ではmicro SIMを使用している場合もあります。多くの海外SIMカードはマルチサイズ対応(台紙から3サイズに切り取り可能)で販売されていますが、購入前に自分の端末のSIMサイズを確認しておくと安心です。SIMカードの取り出しにはSIMピン(端末の付属品として同梱されていることが多い小さな金属ピン)が必要なため、忘れずに持参しましょう。

料金体系はプリペイド式が一般的で、購入時にデータ容量や有効期間が決まっています。例えば「7日間3GB」「30日間10GB」といったプランが典型的です。データ容量を使い切った場合は、アプリやオンラインでデータ容量を追加購入(チャージ、トップアップ)できるサービスも多くあります。音声通話やSMS付きのプランもありますが、データ通信専用のプランの方が安価で、通話はLINEなどのアプリ通話で代替できるため、旅行者にはデータ通信専用プランが人気です。

購入場所と方法

海外SIMカードの購入場所は大きく分けて「日本国内で事前購入」と「現地で購入」の2つがあります。事前購入のメリットは、日本語で情報を確認しながら落ち着いてプランを選べること、そして現地到着後すぐに通信を開始できることです。Amazon、楽天市場、家電量販店のオンラインストアなどで各国対応のSIMカードが販売されています。

オンライン通販で購入する場合は、渡航先の国に対応しているか、データ容量と有効期間が旅程に合っているか、対応する通信方式(4G LTE対応かどうか)を必ず確認してください。レビューや口コミで実際の通信品質についての情報を収集するのも有効です。出発の3日から5日前には届くよう、余裕をもって注文しましょう。

現地購入の場合、最もアクセスしやすいのが空港内の通信事業者カウンターです。到着ロビーに主要通信事業者のブースが設置されていることが多く、スタッフがSIMの挿入や設定まで対応してくれるのが大きな利点です。旅行者向けのプランが用意されているため、パスポートを提示してプランを選ぶだけで購入が完了します。ただし、空港内の価格は市内の販売店よりやや割高になる傾向があります。

市内のコンビニエンスストアや通信事業者のショップでも海外SIMを購入できます。タイのセブンイレブン、韓国のコンビニ、ヨーロッパの通信キャリアショップなどが代表的です。市内で購入する方が価格は安くなりますが、空港から宿泊先まで通信手段がない状態で移動する必要があるため、事前にオフラインで使える地図をダウンロードしておくなどの準備が必要です。英語が通じない地域では購入手続きに苦労する場合もあるため、必要なフレーズや画面表示の翻訳を事前に準備しておくとスムーズです。

設定手順とトラブル対応

SIMカードの設定手順は、端末の電源をオフにしてから開始するのが基本です。SIMピンを使ってSIMトレイを取り出し、元のSIMカード(日本のキャリアのSIM)を外して海外SIMカードを装着します。元のSIMカードは紛失しないよう、専用のケースや財布の中に保管してください。SIMカードを装着したらトレイを戻し、端末の電源を入れます。

電源を入れると多くの場合、端末が自動的にネットワークを検出してデータ通信が開始されます。自動で接続されない場合はAPN(Access Point Name)の手動設定が必要です。APNの設定情報はSIMカードの台紙や同封の説明書に記載されています。iPhoneの場合は「設定」から「モバイル通信」、「モバイルデータ通信ネットワーク」に進みAPN情報を入力します。Androidの場合は「設定」から「ネットワークとインターネット」、「モバイルネットワーク」、「アクセスポイント名」で新しいAPNを追加します。

よくあるトラブルとして最も多いのが「SIMカードが認識されない」問題です。この場合はまずSIMカードが正しい向きで装着されているか確認し、一度取り出して再装着してみてください。それでも認識されない場合は端末の再起動を試みます。SIMロック解除が正しく完了しているかも再確認しましょう。もう1つのよくあるトラブルが「データ通信ができない」問題で、この場合はAPN設定の誤入力がないか見直し、「データローミング」の設定がオンになっているか確認してください。一部の海外SIMカードはデータローミングをオンにしないと通信できないことがあります。

通信速度が極端に遅い場合は、端末の設定で通信方式が「4G LTE」に設定されているか確認してください。「2G/3Gのみ」に設定されていると速度が大幅に制限されます。また、データ容量を使い切っている可能性もあるため、残りのデータ容量を確認しましょう。多くのSIMカードは専用のアプリやSMS(特定の番号にテキストを送信)で残容量を確認できます。帰国後は海外SIMを取り外し、元の日本のSIMカードに戻すことを忘れずに。元のSIMに戻した際も通信ができない場合は、端末を再起動すれば通常は解決します。

主要渡航先別の通信事情

韓国はSIMカードの購入が非常に容易な渡航先です。仁川空港の到着ロビーにはKT、SK Telecom、LG U+の3大キャリアのカウンターがあり、旅行者向けのプリペイドSIMが多数用意されています。データ無制限プランが1日あたり数百円から利用でき、通信速度も安定しています。短期滞在であればデータ無制限の5日間プランや7日間プランが人気です。カウンターのスタッフは英語対応が可能で、SIMの装着から設定まで代行してくれるため安心です。

台湾も旅行者にとってSIM購入がしやすい渡航先です。桃園空港や松山空港の到着ロビーに中華電信、台湾大哥大、遠傳電信などのキャリアカウンターがあります。3日間、5日間、7日間、10日間、15日間、30日間とプランの選択肢が豊富で、いずれもデータ無制限プランが基本です。料金も手頃で、7日間のデータ無制限プランが日本円で1,000円前後から利用できます。パスポートの提示だけで購入でき、その場で設定まで完了します。

タイでは空港のほかコンビニでもSIMカードを購入できます。AIS、DTAC、TrueMove Hの3大キャリアが観光客向けプランを提供しており、空港の自動販売機でも購入可能です。バンコクのスワンナプーム空港やドンムアン空港には24時間営業のキャリアカウンターがあります。タイのSIMカードは購入時にパスポートの提示と顔写真の撮影が必要です。料金は手頃で、8日間15GBのプランが300バーツ(約1,200円)程度です。

ヨーロッパではEU圏内のローミング規制により、1つの国で購入したSIMカードをEU加盟国間で追加料金なく使用できます。ただし、イギリスはEU離脱後にこの規制の対象外となっているため注意が必要です。フランスのOrange、ドイツのTelekom、イタリアのTIMなどの大手キャリアが旅行者向けプリペイドSIMを販売しています。購入時に身分証明書(パスポート)の提示が求められる国もあります。アメリカではT-MobileやAT&Tのプリペイドプランが旅行者に人気で、家電量販店のBest BuyやWalmartでも購入できますが、プランの種類や料金体系がやや複雑なため、事前にオンラインで情報を収集しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q.海外SIMと国際ローミングはどちらがお得ですか?

ほとんどの場合、海外SIMカードの方が大幅にお得です。日本のキャリアの国際ローミングは1日あたり約1,000円から3,000円かかることが多いのに対し、海外SIMカードは渡航先にもよりますが1日あたり数百円程度で利用できるケースが多いです。ただし、1日から2日程度の短期滞在でSIMの差し替えが面倒な場合は、キャリアの国際ローミングの方が手軽です。

Q.海外SIMを使うと日本の電話番号で着信できますか?

海外SIMに差し替えると日本のSIMカードが無効になるため、日本の電話番号での着信はできなくなります。緊急の連絡が想定される場合は、事前に海外用の連絡先を関係者に伝えておくか、デュアルSIM対応端末でeSIMを活用して日本の回線を維持する方法を検討してください。LINEなどのアプリ通話はデータ通信経由のため、海外SIMでも利用可能です。

Q.SIMカードの有効期間が切れたらどうなりますか?

有効期間が切れるとデータ通信ができなくなります。多くのプリペイドSIMはアプリやオンラインで有効期間の延長やデータ容量の追加購入が可能です。旅程が変更になって滞在が延びた場合は、有効期間が切れる前にチャージしておくことをおすすめします。有効期間切れ後もSIMカード自体は利用できる場合が多いため、再チャージすれば復活できることがほとんどです。

Q.海外SIMとeSIMのどちらを選ぶべきですか?

端末がeSIM対応であればeSIMの方が手軽です。物理SIMの差し替えが不要で、オンラインで即座に購入と設定ができます。一方、物理SIMカードは端末を問わず使えるため、eSIM非対応の端末や複数の端末で使い回したい場合に適しています。また、現地で店舗スタッフにセットアップしてもらいたい場合は物理SIMの方が便利です。

参考情報

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